一般選抜か総合型・学校推薦型選抜か ~高2・高3が知っておきたい大学入試方式の選び方~

こんにちは。
高校生コース講師の小谷野です。

「推薦なら楽そう」
「年内に早く大学を決めたい」
「共通テストを受けたくない」

そんな安易な考えで入試方式を決めていないですか?
今回は、これから大学受験に挑む高2・高3向けに、大学入試方式の選び方をアドバイスします。

まずは現在の大学入試方式を簡単に整理します。

大きくは3種類です。
①学校推薦型選抜の指定校型
②学校推薦型選抜の公募型、総合型選抜
③一般選抜

細かい違いは表をご覧ください。
①に関しては今回は言及しません。
以下では②を「推薦入試」③を「一般入試」と呼称します。

はじめに断っておきます。
「推薦なら楽そう」「年内に早く大学を決めたい」「共通テストを受けたくないから私立にする」
こうした大学選びを私は否定しません。そりゃ年明けまで頑張って共テに向けて勉強するのはつらいです。現状の大学入試において、年明けの共通テストを6教科受けて国公立大学を受けるというのは非常に大変です。それなりの覚悟を持って受験勉強に臨まなければなりません。ただ、それと同時に、推薦だってそんなに楽ではないぞ、ということだけは肝に銘じておいてください。
そもそも大学入試は、そんなに甘くありません。第1志望に行けない人が大半を占める世界です。みんなが行くべき場所でもありません。なんとなく高校生活を過ごして、気づいたら大学に受かってるというわけではありません。ちょうど最近、財務省が私立大学の数を削減するという方針を打ち出した、なんていうニュースが話題です。その他にも大学の募集停止、統廃合、女子高の共学化、少子化が進む中で大学側も苦境です。たしかに日本には大学が多すぎます。選ばなければどこかの大学に入れるのは事実です。でも、そんないわゆる全入大学に行きたいのですか。もうしそうであるなら、私は止めません。その人の人生なので。そんな時代でも私が言いたいのは、大学選びと真剣に向き合ってほしい、ということです。

前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題です。
「推薦入試」か「一般入試」か、どのように選べばよいのか。
ここでは、基本となる基準を二つ紹介します。

① 自分基準で選ぶ

② 相手基準で選ぶ

CONTENTS

① 自分基準で選ぶ

まずは自分基準で選ぶ方法です。

「推薦入試」を受けたいなら、次の文の空欄を、明確にかつ具体的に埋める覚悟を持ってください。
今は埋められなくてもいいです。大学に出願する9月、10月には完璧に埋める必要があります。

私は〇〇大学〇〇学部の〇〇教授のもとで〇〇の研究をしたいです。そのために、高校時代には〇〇に取り組んできました。大学卒業後は、大学での学びを生かして〇〇という社会課題の解決に取り組みたいです。

この文章を埋められないなら、または埋める覚悟がないなら「推薦入試」は諦めてください。
この文章を埋められずして、皆さんが望むような大学には受かることができません。

「推薦入試」というと高校時代の突出した実績が必要だと思うかもしれません。もちろん高校時代の探究活動や課外活動、資格取得なども大事です(部活や生徒会の活動では物足りないです)。しかし、これまで「推薦入試」に受かった子たちを見ていると、本当に大事なのは上記の1文目です。つまり、大学で学びたいことを明確に表現できるのかということです。どんなに輝かしい実績があっても、それが大学の学びと関連しないなら意味がありません。高校時代にアメリカに留学した経験があり、英検1級を持っていますと言っても、それで医学部に入れるわけではありません。大学で学びたいことが明確にあり、それに関連して高校時代に何に取り組んだのかというストーリーが大事です。ストーリーがないのに、実績の羅列だけしても大学には刺さりません。そして、そのストーリーの続きとして、未来への展望が大きな鍵となります。教育学部で多文化共生を学びたい、農学部で水耕栽培を学びたい、工学部でペロブスカイト太陽光電池を学びたい。明確な学びたいことがあるのはいいことです。ではそれをどう社会に生かすのか。その具体的な提案を表現しないといけません。ただ単に、私が興味あるから、僕が好きだから、という理由では大学入試を突破できません。社会で生かす方法を考えるヒントとなるのが、現代を生きていて「何を社会課題だと思っているのか」ということです。外国籍児童の教育機会の不平等、地球温暖化による屋外での食糧生産力の低下、国際情勢の不安定化による日本の燃料危機など。大学で学んだことをどんな社会問題の解決に生かせるのか。ストーリーの続きが大事です。
要するに、過去⇒大学⇒未来のストーリーを首尾一貫して、明確で具体的に表現する必要があります。
このストーリーを描く覚悟がありますか?
それらな「推薦入試」を選んでください。

そうではなく、
「入りたい学部は決まっているけど、細かい専門はこれから決めたい」
「ストーリー作りよりも学科試験で勝負したい」
「今はやりたいことが決まっていないけど、とりあえず大学に行きたい」
そんな風に思うなら「一般入試」でいいと思います。
四の五の言わずに、英語・数学・国語・理科・社会・情報を勉強してください。まずは共通テストに向けて6教科を勉強してください。もちろん私大専願で3教科の勉強でもいいです。学科試験の得点で勝負すればいいと思います。

「ストーリーも作れないし、学科試験での勝負もしたくない」
そんな人は、私がここで話しているような意味での大学受験は諦めてください。
もっと他にも道があります。
就職だって、専門学校だってあります。全入の大学もたくさんあります。そうした道を選ぶといいと思います。

以下まとめ、

  • 推薦型と一般選抜の違い
項目推薦入試一般入試
大学で学びたいこと
研究したいこと
明確にかつ具体的に決まっていて
「〇〇教授のもとで〇〇を学びたい」と言える。
なんとなくは大学・学部は決まっているけど、入学後にもっと詳しく考えたい。
高校時代の活動志望分野につながる活動・探究・経験がある、または今から本気で作る覚悟がある特別な活動はそんなにしていないけど、学科試験の点数で勝負したい
将来の展望大学での学びを社会でどう生かすか語れる将来はまだ迷っているが、大学で広げたい
向いていないケース「勉強したくないから推薦にしたい」だけの人学びたいことが明確で、活動実績もあり、言葉で伝えるのが得意な人

② 相手基準で選ぶ

もう一つ大事な視点は、相手に合わせるということです。
自分視点だけで大学入試は突破できません。
大学入試は、大学という相手があってこその勝負だからです。
自分が行きたい大学が、どんな入試方式をしているのかを確認しないといけません。
大学によって、「推薦入試」が多いのか、「一般入試」が多いのかが違うからです。

例えば、文学部に行きたいとします。
学びたいことを決めて、入ってみたい大学をいくつかリストアップしたとします。
それらの大学に関して、全入学者数と、その内の「推薦入試」「一般入試」「その他」の各入学者数を比較してみます。
『2025年度用 大学の真の実力 情報公開BOOK』を参照しています。

大学全入学者推薦入試一般入試その他
東北大学文学部223人69人150人4人
信州大学人文学部174人0人171人3人
早稲田大学文学部648人3人419人226人
上智大学文学部523人147人277人99人

どうでしょうか?
大学ごとに入試方式の方針の違いが明確だと思います。どの入試方式でどのくらいの学生をとるのかの方針が異なるのです。
まずは国公立大学で比較します。東北大学と信州大学です。同じ国公立大学と一括りに言っても、入試方式ごとの入学者数が異なります。東北大学は「推薦入試」で3割取りますが、信州大学はほぼほぼ「一般入試」のみです。数字上の話だけで言うと、東北大学は「推薦入試」で攻めるべきです。入学者数の3割ほどは「推薦入試」の定員だからです。そのうえで「一般入試」も受けるつもりで勉強しておきます。一方で信州大学は「一般入試」で入るしかありません。「推薦入試」はやっていないからです。自分が「推薦入試」がいいか、「一般入試」がいいのか、なんてことを考えるより前に、データを見ると取るべき作戦は明らかです。
続いて私立大学。こちらも大学によって入試方式ごとの入学者数が異なります。早稲田大学は「推薦入試」をあまり積極的に導入していません。「一般入試」で入るしかありません。「その他」が多いのは、指定校や系列校からの進学が多いからです。早稲田大学は中学・高校入試の時点で3割以上の入学者がもう決まっています。気づかぬうちに戦いは始まっていたのです。そしてもう終わっているのです。一方で上智大学は「推薦入試」を積極的にとります。なので「推薦入試」という選択肢を考えるといいでしょう。とは言え、「一般入試」がまだ半数以上なので、同時並行の対策にはなってしまいます。

このように、相手視点での戦略も大事です。自分がどんなに「推薦入試」が得意で、学びたいことも明確で、高校での実績も十分だったとしても、信州大学や早稲田大学の文学部に入りたいなら、「一般入試」で戦うしかありません。

★まとめ

① 自分基準で選ぶ

明確なストーリを表現できるなら「推薦入試」、点数で勝負したいなら「一般入試」

② 相手基準で選ぶ

大学のデータを分析して、入試方針を見極める

以上は、簡潔な判断基準です。
本当はもっと複雑に色んなことを吟味する必要があります。
より深い戦略を知りたい方は、さくら*みらい塾までご相談ください。

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