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共通テスト講評 数学編

皆様こんにちは。
高校生コース講師の小谷野です。

今回は、共通テスト講評の第三弾。
共通テストから早3週間ちょい経っておりますが…。
遅筆をお許しください。

では、数学を見ていきましょう。
賛否両論が飛び交っておりますね。
先に言いますが、個人的には今年の数学は悪くはないと思っています。
思考力を問うという点はいいのですが、計算量が多かったというのが難点だったかなと思います。
思考力と計算力。その両方を同時に課したことで、まれに見る難易度の問題が出来上がってしまいました。

CONTENTS

講評 ~数学~

まずは、ⅠA・ⅡBそれぞれを分けてみていきましょう。

数学ⅠA

こちらが全日本を揺るがした問題作です。
「問題終了と同時に隣の席の子が泣き出した」とか
「問題終了してすぐに問題を破り捨てた人がいる」とか
なにかとその難易度を揶揄するような文言が流行りましたね。

まずは一言で言えば、超難化
これに尽きます。
もちろん、昨年度が難しくなかったので、ある程度の難化は想定されていました。
しかし、誰も予想できないくらいの難化を見せましたね。
その要因は三つ。
①誘導が少なすぎる(図形と計量、二次関数、確率、図形)
②面倒な計算が多い(三角比、相関係数、整数問題)
③問題の理解に時間がかかる(二次関数と必要十分条件、統計)
これらはⅡBにも言えます。

問題ごとに見ていきましょう

1⃣⑴数と式
対称式の定番問題です。しかし、後半が少しひねりがありますね。すぐに(x+y)^2の展開に持っていこうとした人は時間がかかったと思います。例年この分野の問題はさほど難しくないので、ここで詰まって焦った人は多かったのではないでしょうか。わからないときは飛ばす勇気も必要です。後は、センター時代からの基本、「わからなくなったら前の問いの答えを参考にしろ」ですね。
1⃣⑵⑶三角比
⑵は鉛直方向と水平方向の縮尺が異なるのが意地悪ですね。それは地理の問題でやっていただきたい。そして、tanを出す割り算が面倒です…。縮尺が違うという情報の処理と煩わしい計算が求められました。
⑶は前半は普通に正弦定理で終わり。しかし、後半がムズイ。誘導なしでこれを解かせるのは鬼畜だと思います。一般的な受験生は発想できないのではないかと思いました。今までのセンター試験は計算の煩雑さで時間を使わせることが多かったですが、共通テストでは、発想の難しさで時間を使わせる小賢しい手法が多かったですね。正弦定理と円に内接する三角形の図形的理解が求められました。
2⃣⑴二次関数
現実的な設定を利用した昨年度の陸上の問題とは打って変わって、ゴリゴリに座標平面上でのグラフを思考する問題でしたね。グラフ表示ソフトで遊ぶ太郎の虚無感も話題になりました。それはさておき、「エ」の段階から誘導がないことに悩んだ受験生は多かったのではないでしょうか。今までならここにもっと誘導がありました。発想が難しい問題です。さらに、二次関数のグラフと必要十分条件を組み合わせるとは性格が悪い。それより以前の問題が解けた前提で話が進み、さらに集合の包含関係を問うのは悪魔的です。試しに図形を書いてみるとイメージできたかもしれないですが、多くの受験生はここを捨てたと思います。正解です。
2⃣⑵
統計です。決して難しいわけではないのですが、多くの情報の照らし合わせが求められました。基本的な用語の理解は必須です。「中央値」「第1四分位数」「相関係数」など。ヒストグラムや散布図においては、縦軸と横軸の数値の意味をきちんと把握することが求められました。相関係数の計算が面倒なのも地味に時間削りになります。
3⃣確率
完全順列でした。順列が得意な人は、この仕組みを知っていたかなと思います。しかし、知らない人にとってこの考え方を自力で思いつくのは至難の業です。前半も難しいですが、後半の誘導が少ないのも難しい点です。4人の完全順列の解き方に関してはもう少し誘導が欲しかったかなと思います。とはいえ、選択問題の中では相対的に1番取り組みやすかった問題だと感じました。個人的には今年の中で1番好きな大問です。
4⃣整数問題
不定方程式です。さすがにユークリッド互除法を覚えている人は多かった思うので、前半はいけたかなと思います。問題は後半です。発想が難しいうえに、計算の煩雑さが鬼です。正解が5桁の整数という時点でおかしいです。最後の問題も、それ以前をヒントにするのはわかりますが、もう少し誘導があってもいいかなとは感じました。
5⃣図形
難しい。重心の性質、メネラウスの定理を序盤で使うのは定番ですが、方べきの定理の逆を使うのは中々難しかったですね。その後も発想が難しい問題が続きましたね。誘導があるようでないような、でも一応ある、というのが最後の問題でしたね。解き方に詰まったら前半の問題の答えを参考にする、という基本姿勢が大事です。

総じて、非常に硬派な問題が並びました。二次試験のような誘導なしの発想力が試された試験でしたね。
各大問の前半だけを拾うという戦い方すら難しい問題でした。
各大問とも最初が取り組みにくいけど、途中の山場を越えてからは比較的わかりやすいという印象でした。
たしかに、この難易度を共通テストで出題することに賛否はあると思います。
しかし、全体としては面白い問題も多かったかなとは感じました。
誘導が明確ではない分、うまいタイミングで前問の解答を利用するセンスが問われます。
国公立二次で数学が必要な人にはいい練習問題だったのかなという印象です。

数学ⅡB

数ⅠAよりかは、難化度合いが緩やかだった印象。
ⅠAと比べれば、各大問の前半部分を拾うという戦い方はしやすかったかな。
でも各大問とも完答するのが難しいと思います。

こちらも各問題を見ましょう。

1⃣⑴図形と方程式と三角関数
円の方程式は取れたと思います。tanの二倍角が出ましたが、覚えていなくとも、sin/cosの考え方がわかっていればすぐ導出できたと思います。ここは誘導も多かったので、完答したい問題だったかなと思います。
1⃣⑵対数
前半はやや易しいです。ただ、「ソ」あたりから悩んだ人も多かったのではと思います。ここはマーク問題特有の考え方ですが、抽象的な文字での議論ではなく、具体例を代入しちゃって、選択肢から選ぶという解き方でよいかと思います。後半部分は特に。文字での整合性をしっかり証明しようと抽象的な計算をしていると間に合わないと思います。
2⃣微分積分
グラフの概形は当てたい。極値を持つかどうかが鍵ですね。微分の後半は指数の計算も絡み煩雑だったかなと思います。
積分に関しては、グラフの関係をイメージできないと解けなかったですね。これも具体的な数値を入れて、グラフの上下関係を考える必要があったかなと思います。それを乗り越えたとしても、計算の煩雑さはありました。
4⃣漸化式
問題の条件説明が長文だと話題なった問題です。正確に読み解ければ、最初は中学生でも解ける問題。後半部分の漸化式は二次試験レベルでしたね。特性方程式だけではなく、anは階差などの考えを使わないと解けなかったかなと思います。ここも最悪は、具体的な数字を入れて選択肢を絞るという方法も有効です。このレベルの漸化式を誘導なしで解かせようとしたのは鬼畜ですね。最後の計算も煩雑です。後半は捨ててよいでしょう。
5⃣ベクトル
条件の図形を上手に図示してイメージできるかが試されたかなと思います。問題数が多かったので、ここまで解いてきた人はもう時間との勝負だったかなと思います。ただ、時間さえあれば他の大問よりも完答を狙いやすかったのではないかったかという印象です。昨年度のような、正五角形の対角線を求めるところから十二面体に派生するようなダイナミックさと比べると抽象度が高い問題でしたね。

ざっとⅡBはこんな感じ。
こちらも非常に難しい大問が並びましたね。
ⅠAに比べれば取っ掛かりはわかりやすい問題が多いのですが、後半はどれも難しかったです。
漸化式の問題なんかは本当に二次試験レベルですね。

勉強法

来年以降も、このくらいの難易度が続くと予想されます。
なので、このレベルに対応できる数学力をつけておく必要があります。
特に国公立志望者は。
そこで最後に、勉強法も提案しておきます。

過去のセンター試験を誘導なしで解いてみる

どっかのYoutuberが企画でやっていたような勉強法ですね。
でも、有効だと思います。
今年度の問題が難しかった大きな原因は、誘導の少なさだと思います。
誘導なしで解法を思いつく数学力のことを、「思考力」と呼ぶのであれば、二次試験レベルの発想力が要求されるということです。

ためしに、センター試験の過去問を誘導なしで解いてみてください。
めっちゃムズイと思います。
しかし、共通テストではそれが要求されます。

与えられた誘導に乗れば、、よくわからんけど答えが出る。
そんな10年前くらいのセンター数学とは一線を画しています。
誘導がなくても、自分で試行錯誤する。
ああでもない、こうでもないと悩む。
実際に具体値を代入して当てをつける。
そんな数学的に悩む力が要求されました。

解法というのは、急にひらめくわけではないのです。
何事も試行錯誤が大事です。
そんなメッセージを感じました。

まとめ

自分が受けた10年ほど前のセンター数学は、ひたすら「情報処理」、という問題でした。
頭脳というよりも、右手の勝負です。
与えられた情報を瞬時に処理し、素早く計算する。
これが全てだったと思います。(少し大げさかもしれないですが…)

しかし、共通テスト数学は違います!
右手も必要ですが、頭脳も必要です。
数学的発想力、もっと言えば、試行錯誤をして解法を思いつく能力が必要です。
この問題はこの公式、というような短絡的な数学学習をあざ笑うような問題でした。
なので、正直厳しいです。

来年以降、数学を受験する人は覚悟を持って臨みましょう。


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