日頃の勉強は何をしたらいいの? 高校1,2年生向け

皆さん、こんにちは。
高校生コース講師の小谷野です。

今回は、勉強法についての記事を書いていきます。
テーマは、「日頃の勉強は何をしたらいいのか?」です。
主に高校1年生、もしくは2年生の初め頃で、まだ大学受験まで時間があるなというときの勉強についてです。
もちろん高校1年生のうちから大学受験を意識して勉強をしてほしいのですが、多くの人にとってそれは難しいと思います。
高校生活に慣れるのも大変だし、ましてや部活に入ったりすると、中学以上に厳しい練習日程だったりするので、それだけでクタクタ、授業中はウトウト、なんて日々かもしれません。
学校の授業に関しても、中学の時の延長線上として高校の授業をとらえていると、授業進度の速さや内容の難しさに圧倒されてしまうでしょう(特に数学)。
しかし、そもそも中学の時に宿題以外の勉強をあまりやってこなかった人にとっては、高校の勉強をしなきゃ、と思っても何から手をつければいいのやら、という状態だと思います。
そう思ってるうちに、授業についていくのに精一杯になり、とりあえず学校から言われた課題を終わらせていく、とりあえず小テストのための勉強や宿題を終わらせていく、みたいな毎日になってしまいます。

そこで今回は、勉強はしたいと思ってるけど、何をどう勉強したらいいかわからない高校1、2年生向けに、日頃の勉強法のアドバイスを記していきます。
参考程度にご覧ください。

CONTENTS

基本事項

まず基本です。
多くの高校生にとっては、授業というのが一つの指標となります。
授業を中心に勉強の仕方を組み立てていくとよいかと思います。
しかし、ただ授業を受けただけで満足していてはダメです。

科目関係なく、勉強を進めるうえで必要な過程としては、

① 予習 
② 授業 
③ 復習 
④ 参考書学習(自主的な学習)

大きくこうしたステップがあるかと思います。
これらの当たり前の学習を当たり前に積み重ねることが、大学受験にもつながっていきます。
なぜなら、ほとんどの高校生はこうした当たり前をこなしていません。
そして高2の終わりころから焦りだすことになります。
なので、高1から当たり前の積み重ねを意識してください。

あと、まずは科目を絞って、優先順位を定めて学習に取り組むようにしてください。
初めから全科目に対して、以下に記すやり方を当てはめるのは無謀です。
やれる範囲で参考にしてもらえればと思います。
おすすめの科目としては、文系であれば英語、理系であれば数学。
ここからまずは始めてみてください。

では、一つずつ詳しく見ていきます。

①予習

中学生の頃は予習なんてしてましたか?
たぶんしていなかったと思います。
でも、高校では当たり前にしてください。(中学でも当たり前にしてほしいのですが…)

予習は何のために行うのでしょう?
それは、自分がわからないところをわかっておくためです。
予習を通して内容を完全に理解する必要はありません。
もちろん理解できればそれに越したことはありません。
それよりも、どこがわからないのか、どこが難しそうなのか、を把握しておきましょう。
そして難しそうな部分をきちんと授業で解決しましょう。
授業時間というのは長いです。おそらく50分という学校が多いでしょう。
もちろん大事なことをたくさん伝えたいので仕方ないです。
しかし、そのすべてを精聴し通すことは困難だと思います。
メリハリをつけて授業を聞くのが大事です。
どこを真剣に聞くかというと、もちろん自分が分からなそうなところです。

あと、予習のコツは、毎日続けられそうな分量をノルマにするということです。
あんまり張り切り過ぎて1時間もかかる予習のスケジュールを立ててしまうと、1週間で限界が来ます。
そうではなく、部活があっても無理なく続けられるくらいの分量の予習にしましょう。
初めは5~10分くらいでもいいです。前日の夜でもいいし、朝でもいいです。
なんなら授業の前の休み時間でもいいです。
慣れてきたら30分くらいが理想かなと思います。
大事なのは、少しでもいいので、毎日続けることです。

具体的な話をしましょう。
数学の話をします。
おそらく数学が、中学と高校で最も格差がある科目だと思います。
中学のイメージとは桁違いの授業進度でガンガン進んでいくと思います。
学習する単元が多いので仕方ないのですが…。
個人的には数学が最も予習が必要だと思っています。
日頃の予習としては、まず教科書を読んでください。これだけでも十分です
できれば次の授業でやりそうな例題を解いてみてください。手を動かすのが大事です。
読むだけだと、理解した気になる、という現象が発生します。
問題を自力で解けるかどうかが大事です。
すんなり解けるようなら、その問題の部分の授業はそんな聞かなくて大丈夫です。
初見では解けなそうだなと感じる問題はきちんと授業を聞きましょう。

英語の話をします。
主に英語コミュニケーションに関してです。
個人的なおすすめは、教科書の文章をSVOCに分けるという練習です。
日本語訳は余裕があればしてみてください。
(※日本語訳するよりも、SVOCに分けることを優先して予習してください)
少々面倒ですが、ノートを開き、左側のページに本文を写し(行間を空けて写してください)、SVOCに分ける。
可能であれば、節や句(名詞節か形容詞節か副詞節かなど)まで認識できるとなおよいです。
右側のページに日本語訳を書いていく。
わからない単語もきちんと調べておく。
(単語は品詞はもちろん、自動詞か他動詞かまで意識できればなおよいです)
ここまでできれば完璧な予習ですが、初めはここまでしなくて大丈夫です。
上に書いた文法用語(SVOCや節句、品詞など)がまだよくわかっていない場合は、文法書を読むことをおすすめします。
高校以降の文章は中学までと違って勘で読めるレベルではないので、少々面倒ですが、文法用語を知りその概念を理解するというステップが必要です。

国語の話です。
まずは現代文に関して。
当然ですが、文章を読んでおきましょう。
そして、語彙や漢字を調べて授業に臨みましょう。
難しい語彙をきちんと説明できるレベルで理解しているかが大事です。
日本語の語彙や漢字をおろそかにしてると痛い目を見ます。
次に古典に関して。
とりあえず古文を頑張りましょう。
助動詞の活用表など、文法的に覚えておいてほしいことも多いです。
予習という観点で言うと、品詞分解がおすすめです。
教科書で扱う文章を品詞に分けましょう(これが難しければ復習の際に行ってもいいです。)

例)男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。 (土佐日記の冒頭)
  ↓
  男/も/す/なる/日記と/いふ/もの/を、/女/も/し/て/み/む/とて、/する/なり。
  ↓
  ※品詞分解が間違えていたら大目に見てください。
  助詞なんかはまだ気にしなくても大丈夫です。動詞・形容詞・形容動詞、あとできれば助動詞に関しては
  活用の種類や活用形を書き加えておくといいと思います。
  「男」:名詞 「も」:副助詞 「す」:サ変・終止形 「なる」:伝聞の助動詞・ナリ活用・連体形 などなど

優先順位が高い科目から、自分ができる範囲で予習をしてもらえればと思います。

②授業

予習をきちんとやっていれば自ずと授業の受け方が定まってくると思います。
大事なのは、自分がわからないポイントをきちんと聞く
そして、可能な限り授業中にそれを解決する。
授業を聞いてもわからないときは、授業後にすぐ先生に聞きに行くのがいいと思います。
先生も忙しいかもしれないですが、そこで気を遣っちゃダメです。
授業内できちんと解決するという積み重ねが大事です。
それを積み重ねることで、授業についていけない、という状態を回避できます。
多くの人は授業でわからないところを放置しますので、これだけでも差が付きます。

③復習

授業まできちんと内容を理解出来たら、復習も大事です。

一番手っ取り早くておすすめの復習法は、帰り道に今日あった授業を思い出すという方法です。
まずはこれだけでも十分です。
例えば、帰りの電車の中で、
 1時間目は数学で、3乗の因数分解の公式をやったな。で、式はたしかこんな感じだったな。
 2時間目は古文で、過去の助動詞「き」をやったな。活用は「せ 〇 き し しか 〇」だったな。
 3時間目は化学で、化合物と混合物の違いを習ったな。……
みたいに、きょうやったことを思い出す感じです。
教科書を開く必要も、ノートを取り出す必要もありません。
今日の授業を1コマにつき30秒くらいで復習してください。
6コマあったとしても3分で終わります。
電車なら一駅分くらいじゃないでしょうか。
上のような方法を使って、「自力で思い出す」という作業が大事です。
記憶というのは、一度記憶しようとするときではなく、思い出そうとするときに定着します。
本当に忙しくて、部活等で疲れ果てている人は、これだけでもいいのでやってみてください。

復習も予習と同じく、簡単でもいいので毎日続けられる内容がおすすめです。

もうちょいできるよ、という人向けにもう少し書いておきます。

復習の目的は、「理解する」という段階から「定着する」という段階へのステップです。
高校1年生の初めの方の単元だと、数学なら展開・因数分解、英語なら時制の理解、古文なら動詞や形容詞の活用などだと思います。
おそらくそれくらいであれば、授業中だけでも理解はできるでしょう。
大事なのは、それを定着させることです。
人間は恐ろしいほど忘れる生き物です。
一度理解したくらいでは簡単にその内容を忘れます。

定着させるための方法例
・数学や理科
類題を繰り返し解く。これにつきます。公式を手が覚えるくらい何度も解きましょう。簡単だからいいやと思って、演習を疎かにすると、1週間もすれば簡単に忘れてしまいます。
公式の導出も大事です。どうして正弦定理が成り立つのか。等加速度直線運動の式はどうやって成り立つのか。
難しいとは思いますが、本質を理解しようと思いながら進めるのが大事です。
とはいえ、多くの人にとってそれは酷なので、まずは割り切って暗記していきましょう。(自分もそうでした…)
まずは割り切って暗記した後に、色んな問題を解いていると、今まで点で覚えていた式が、線に、そして面に、さらには空間的に広がって理解できるようになる日が来ると思います。
・英語や国語や社会
内容を他人に説明できるかをチェックする。わかったつもりなだけだと、他人に説明はできません。説明する相手は、友人や家族でも誰でもいいです。自分の中のもう一人の自分だっていいです。
英語なら、今日習った文法事項をきちんと説明できるか。自動詞と他動詞の違いは?現在完了形と過去形を違いは?など。
国語なら、語彙をきちんと説明できるか。「相対的」と「絶対的」の違いは?など
歴史なら、習った用語を説明できるか。絶対王政とは?民主主義とは?気候区分はどうやって分けられてるの?など

英語や国語で特に大事な復習方法が、音読です。
そんなの意味ないのではと思うかもしれないですが、これが大事なんです。
英語はもちろんですが、古文漢文、現代文だって、音読が大事です。
やはり言葉は声に出してなんぼです。
目で読んでるだけだと感じ取れなかったことが音読するとわかります。
読みづらい箇所に気づけるのです。
目で読んでいると気づけないのですが、声に出すとつっかえる箇所があると思います。
音読してつっかえている箇所は、黙読してる時も実はつっかえているのです。
それに気づいていなかっただけです。
なので、声に出すことが大事なのです。

でも、ただ音読するだけではだめです。
どんな学習法もそうですが、「ただやる」、だけでは効果が半減します。
大事なのは、どんな目的意識を持ってその学習をするか、です。
音読する際は、中身を授業等で教わった、もしくは問題集で解いて既に完全に理解している文章を用意してください。
つっかえずにすらすら音読できるかどうか、文章の中身を理解できているかどうか(語彙や文法)、読んですぐに意味が思い浮かぶようになっているかどうか。
などを確認しながら音読しましょう。
毎日同じ文章の音読で十分です。
語学は、その言語に慣れるのが大切です。
慣れるために重要な訓練となるのが音読だと思います。

④参考書学習(自主的な学習)

ここは話すと長くなるので、端的に言います。
参考書を使って学習するものなんだ、という意識が大事です。
中学生からの流れで、高校でも学校がくれた教材だけやってればいいや、と思っているかもしれないですが、大学受験はそれだと足りません。
高校がくれた教材をやるのは当然です。それはあくまで最低限の基準です。
まずは本屋に行ってみてください。そして学習参考書の棚に行ってみましょう。ずらっと参考書が並んでいるはずです。
何でもいいので参考書を手に取って開いてみてください。
意外と面白いですよ。
自分で選んだ参考書で、自分のペースで学習するという経験が大事だと思います。
大学での学び、大人になってからの学び、それらは自分で自主的に内容を選び取って学んでいくものです。
その練習をしておきましょう。

参考書の選び方や進め方などは、また別の機会に詳述します。

まとめ

予習→授業→復習→参考書学習という勉強の流れを習慣づけることが大切です。
高1や高2の早い段階でその習慣づけをしましょう。
そうしておくと、高2の後半から大学受験勉強をしていく際に有利です。

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