大学受験を戦略で制す ~彼を知り己を知れば百戦殆からず~

皆さん、こんにちは。
高校生コース講師の小谷野です。

現在高校3年生は受験真っただ中ですね。
大学への出願は無事に済みましたでしょうか?
出願が済んだら、あとは勉強するのみです。
共テの後悔や出願の迷いのことは忘れ、最後の1日、1秒まで試験に向けて準備を尽くしてください。
皆さんの健闘を祈っております。

さてそんな中で、今回は高1、2年生向けの記事となります。
大学受験は戦略を以て制する
そんな話をしていこうかと思います。
しかし、そもそも、「何で戦略なんて必要なのか?」
とりあえず高校がくれた参考書を勉強して、何となく大学を選び、試験を頑張って受ける。
こんな感じでいいのでは? なんて思った方。
それは甘いです。

大学が日本にいくつあるかご存じでしょうか?
なんと、2024年1月現在で約800校あります!
途方もない数ですね。
この中から自分で行きたい大学を選ばないといけないのです。
一高校生が、すべてを吟味しきるのは不可能です。
大学選びの話はまた別の機会に譲り、今回はその大学たちへの入学方法の多様性をお話します。
行きたい大学を選んでも、入学する方法をきちんと理解していないといけません。

まずは敵を知ることから始めましょう。
今日はそんな話です。
そして、戦略が大事であるという意味を少しでもお伝えできればと思います。

CONTENTS

大学受験の方式を概観

現在の大学受験の方式は大きく分けて3つあります。

・総合型選抜
・学校推薦型選抜(公募型と指定校推薦にさらに分かれてます)
・一般選抜

うーん、これだとよくわかりません……。
個人的にはこの名称と区分けは少しわかりづらいと思います。
独断でもう少しわかりやすく分けるとこんな感じです↓

① 指定校推薦 — 学校推薦型選抜(指定校推薦)
② 推薦型の入試 — 総合型選抜&学校推薦型選抜(公募型)
③ 従来の筆記試験型の入試 — 一般選抜

①指定校推薦

これは昔から同じです。
高校の中に各大学の特定の学部学科への指定校の枠というのがあります。
高校の成績に応じて、生徒が希望の大学学部学科を選び、学内選考を経て、高校が推薦する生徒を決定します。
その後、大学側も形式上の試験を行いますが、よっぽどのことがない限り落ちません。

②推薦型の入試 : 長野県公立高校入試の前期入試みたいな

主には、「高校時代の活動」&「大学入学後の学習計画」で高校生を選抜するというイメージです。
学力を重視するところもありますが、生徒の情熱や活動実績、表現力や論理力といったより総合的な力を求める試験です。
そして、この定員枠が年々拡大しています。
一般入試を経て入学する人よりもこの方式で入学する人の方が多いなんていう大学もあります。
私立大学のみではなく、国公立大学でも増えつつあります。

具体的な選抜方法としては、
・志望理由書:高校時代の活動や大学に入ったあとの計画等を文章にまとめます。
・面接:提出書類を基に、生徒の情熱や表現力を問います。
・口頭試問:学問的な知識を口頭で問う試験です。
・小論文試験:課題に対する考えをその場で文章にまとめます。
など

③従来の筆記試験型の入試 : 長野県公立高校入試の後期入試みたいな

これが、大人世代には一番イメージしやすいと思います。
毎年この時期(1月、2月)にニュースで取り上げられるような、大きな教室に生徒が離れて座って、一斉に試験を受けるというあの光景です。
英語、数学、国語、理科、社会など、いわゆる普通に高校で習う教科の筆記試験です。
そして一発勝負。高校での成績などは関係なく、試験当日の点数のみで合否を決める制度です。
この試験方式が多数派ではない大学も増えているので、これを〝一般″選抜と言うのも年々違和感が増していく感じがします。

このように3つの入試方式が存在しています。
イメージが湧いたでしょうか?
戦略が大事になる理由がわかってきたでしょうか?
上記にどうにか3つに区分けましたが、大学ごとの試験の中身を見始めると、さらにめまいがするくらい多種多様です。
すべての大学が、必ずしも上記3つすべての方式を採用しているわけではありません。
大学ごとに各方式の募集定員の人数もことなります。
そのことを少しでも感じてもらえるように、下記に具体例を提示しておきます。

試験方式の具体例

ここからは、各大学の選抜方法がどれくらい異なるかを簡単に見ていきましょう。
上記で記した、②推薦型の入試、③従来の筆記試験型の入試、の2種類に関して触れます。
写真を貼っていきますが、見えづらいところはお許しください。
何となくのイメージだけ見えればいいですので。
書いてある大学たちは、適当に選びました。

推薦型の入試

●総合型選抜

総合型選抜は、一次と二次に分かれているところが多いです。
試験内容を見ると、学力試験を重視するところがあったり、面接を重視するところがあったり。
評定平均や資格試験などの受験要件が必要だったり、なかったり。
国公立大学では、共テが課されたり、課されなかったり。

●学校推薦型選抜(公募型)

総合型選抜と同じく、学校ごとに多様な選抜方法をとっています。
一般選抜のように筆記試験のみの大学があったり、逆に面接だけのところもあります。
結局、大学によって呼び名が異なるだけで、学校推薦型選抜も総合型選抜も同じく、一般選抜ではない試験ということだと思います。
年内にある試験で、各大学が独自の試験方式をとってますみたいな感じです。
なので、個人的には、推薦型ということで2つの選抜方法をくくっています。

③従来型の筆記試験型の入試

●一般選抜

理系の大学を主に取り上げてみました。
筆記試験という意味ではどの大学も似ています。
大事なのは、各科目ごとの配点です。
結構異なります。
国公立で言うと、共通テストと二次試験の比率がどうなっているか、理系だけど二次試験で国語や英語が必要か、他の科目より配点が高い科目があるか、なんかも大事な要素です。
あとは、医学部だと面接があったりします。
私立大学で言うと、方式をきちんと確認することが大事ですね。
共通テスト利用型(共テの点のみで合否)、共通テスト併用型(共テ+個別試験で合否)は、共通テストを受ける必要があります。
英語外部利用入試なんかは、特定の英語資格試験を受けておく必要があります。
全学部入試は、その大学のすべての学部が同じ問題を解いて、合否を決めます。
あとは、学部ごとの個別日程があります。
前期と後期など、出願時期が異なる方式をあります。
科目ごとの配点もきちんと確認しましょう。
国語は古文漢文まで必要か、数学は数Ⅲまで必要か、理科や社会の選択科目は何を選べるのか、英語外部試験での加点制度等があるか、なども各大学の受験要項を見て調べましょう。

大学入試に戦略が必要だという意味を理解していただけましたでしょうか?
一口に大学受験と言っても試験方法が多様なのです。
大学受験をひとくくりで語るのは、同じ陸上競技なんだからボルトはマラソンも速いんだろうと思うのと同じくらい粗雑な行為です。
だから、ただやみくもに高校の勉強をしているだけでは、足りないのです。
まずは、大学入試がどんな試験なのかを知りましょう。

そして、自分が行きたいと思ってる大学がある人は、その大学の試験要項を見てみましょう。
まだ行きたい大学が決まっていない人は、自分にあった受験スタイルを考えてみるのもまずはいいでしょう。
筆記試験よりも推薦型がいいなとか、高校時代に特に活動していないから筆記試験の勉強を頑張ろうとか。

敵を知ることから、受験戦略の第一歩を踏み出してみてください。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
CONTENTS