受験体験記 TOEIC® Listening&Reading編

皆さん、こんにちは。
高校生コース講師の小谷野です。

今回は、TOEIC® Listening&Readingを受けてきた感想を書き残していきます。
2年前に、英語試験の比較の記事を書いたのですが、実は英検以外実際に受けたことはありませんでした……。
以前の記事はこちら→ 「英語外部試験を比較してみた」
それなのに、偉そうなことを書いていてすいませんでした。
そこで、今年からはちょいちょい資格試験を受けて、その際の感想や対策を共有できればと思ってます。

まずはTOEICかなと思い、2023年1月29日実施の回を受験してきました。
長野県松本市のホテルブエナビスタでの受験でして、豪華なパーティ会場での試験となりました。

早速、結果だけ書いておきますね。
Listening:430 Reading:470 Total:900 でした。

ここからは、個人的に感じるTOEICの特徴と、高得点のための対策を記していきます。

CONTENTS

TOEICの特徴

まず、TOEICと言っても、試験の種類がたくさんあります。
初めて受けるときに迷いますよね……。
ちょっと整理しましょう。
基本方式としては、公開テストとIPテスト(団体テスト)があります。
多くの人は公開テストを受けると思うので、そちらのみまとめます。
IPテスト(団体テスト)はスコアとして採用されない場合もありますので。

テスト分類満点受験料対象備考
TOEIC® Listening & Reading Test990点7,810円一般最も一般的
TOEIC® Speaking & Writing Tests400点10,450円一般4技能に対応
TOEIC® Speaking Test200点6,930円一般
TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests100点4,950円初心者中高生におすすめ
TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests100点9,350円初心者中高生におすすめ

一般的にTOEICのスコアと言ったら、一番上のTOEIC® Listening & Reading Testのことを指しますので、大学生や英語が得意な高校生は、L&Rの受験をおすすめします。

L&Rに関する簡単な情報
年間で15回程度実施されます。(時間帯としては、各回とも午前/午後の2回です。)
※試験会場は全国にあり、おそらく47都道府県すべてで実施されているのかなと思います。しかし、すべての回が全国で実施されるわけではありません。長野県内で言うと、長野会場と松本会場があるのですが、県内で実施されるのは3回に1回くらいです。受験の際には、公式の日程のみではなく、近くの会場で受けられるかどうかも確認してください。愛知会場では全回実施されています。
990点満点です。
Listening 5~495点、Reading 5~495点でTotal 10~990点で5点刻みのスコアです。496点なんかはありません。
1問5点というわけでもなく、統計的な手法での採点となります。数問間違えてもスコアが満点となることがあります。おそらく大学入試でいう偏差値の計算に近いと思います。受験者平均は約600点で、正規分布を成すようになっています。
Listening(約45分間・100問)、Reading(75分間・100問)
約45分というのは、各回によって多少ばらつきがあるということです。問題は、同じ回を受けていても会場によって違うらしいです。問題内容としては、ビジネスの場面が主となります。

そもそも、TOEICはどういう人向けなのでしょうか?
就活や院試のために受ける学生、転職や昇給のために受ける社会人、大きくはこの2パターンかなと思います。
以前にも書きましたが、TOEICは国内のビジネスシーンでは最も人気の資格だと思います。
海外に留学する際などには、TOEFLやIELTSの方がおすすめです。

TOEICが使える例を下記に少しまとめておきます。

●就活・転職
下記は一例(公式HPの情報や直接友人から聞いた情報)ですが、おそらく様々な場面でTOEICのスコアがあると便利です。
・楽天 … 入社時に800点以上が必要(公式HPのFAQ)
・アクセンチュア … 中途応募の際に700点~750点が要求される職種があります。(公式HPの採用ページ)
           ※全職種ではありません。
・NTT東日本 入社時に730点以上あると少し給料が上がるらしいです。(小谷野の友人からの情報です)
公式HP以外にも噂としてささやかれる情報もあります。
個人のサイトですが、「企業別でのTOEICスコア(点数)基準|9つの業種や職種別も紹介!」も参考になります。

●大学院入試
大学院試験の際に、TOEICを英語の試験として採用している大学が多いです。
(TOEFLを採用する大学院も多いです。)
募集の資格基準となるよりは、単純に点数に換算されるところが多いと思います
(例)信州大学大学院 総合理工学研究科 修士課程 工学専攻 
   学科によりますが、面接:英語が80:20くらいの比で採点されます。スコアの換算に関しては非公開。
   英語のスコアとして採用されるのは、
    TOEIC L&R   (公開テスト)
    TOEIC L&R IP (信州大学が実施したもの)
    TOEFL-iBT  
   の3種類のみです。(TOEFL-ITP,TOEIC-Bridgeなどはスコアとして認められません。)

東京大学や京都大学、名古屋大学などではTOEIC L&RもしくはTOEFL-iBTのスコアの提出が必要となります。
(留学等まで考えている人は、TOEFLの方が海外の大学の試験でもスコアとして採用される機会が多いです)

※参考
●大学入試
大学入試の推薦型(総合型や学校推薦型)での出願資格や一般受験でのみなし点数としてスコアが利用できることがあります。
(例)同志社大学文学部 推薦選抜入学試験 出願資格として、「TOEIC L&Rスコアが600点以上の者あるいはTOEFL iBTⓇテストのスコアが61点以上の者」という基準があります。
(例)国際教養大学の一般選抜試験では、TOEIC L&R、S&Wの合計スコアが1200点以上だと共通テストの英語の点数が満点と換算されます。
ただ、大学入試においては、英検やTEAPの方が活用できる幅が広く、おすすめです。

TOEICのメリット・デメリット

上記の特徴を踏まえ、TOEICのメリット・デメリットをまとめていきます。
高校生的な視点から書いていきます。

メリット① 日本国内のビジネスシーンでは認知度ナンバー1

就職で最も認知度が高い英語の資格試験だと思います。
英検でもいいですが、TOEICはスコアが出るのでわかりやすいですね。
TEAPやGTECは高校生には人気ですが、大学受験でしか使えない印象があります。
TOEICは一生使えるので、高校生のうちに受けてみても損はしないと思います。
(スコア自体は2年間しか有効ではないです)
ただ、難易度は覚悟しておいた方がいいですが。

メリット② 2技能なので受験費用が比較的安価

他の試験で言うと、英検は2級以降は1万円前後です。
TEAPは約1万5千円。GTECは約1万3千円。
TOEFLは約2万7千円。IELTSは約2万5千円。
これらと比べるとTOEIC L&Rは少し安価だと思います。

デメリット① TOEICの特別な対策が必要

後述もしますが、TOEIC対策は必須です。
大学受験英語とは出題内容が違います。
ビジネスシーンの英語なので、それ専用の語彙や場面の想像が必要になります。
もちろん基本的な文法は共通します。
しかし、TOEIC専用に対策が必須だというのは、時間が限られている高校生にはデメリットでしょう。
逆に言えば、TOEIC対策が世の中に広がっているということでもあるのですが。

デメリット② 大学受験での採用が少ない

大学受験時にTOEICのスコアを外部試験利用としている大学は少ないです。
S&Wまで受ければ、スコアとなる大学も一部はあります。
なので、大学受験用の試験としてはあまりおすすめできません。
とは言え、就職や留学、院試まで見据えれば決して無駄にはなりません。

TOEICの対策

ここからは私自身が受けてみて思ったTOEICの対策法です。
とは言え、1度受験しただけなので、本当に参考程度に見てください。

①形式を知る

どんな試験でもそうですが、まずは相手を知りましょう。
相手の特徴を把握せずに勉強を進めても、見当違いになっている可能性があります。
まずは、本番と同じ形式の問題を解いてみましょう。
解かなかったとしても、眺めるくらいはしてみましょう。

・時間制限が短い
この事実を知っておくのが最も重要です。特にReading。
Listeningは約45分で100マーク。
Readingは75分で100マーク。
問題数が大変に多い試験です。
共通テストの比ではありません。
悠長に選択肢を吟味している暇はありません。
本当に急いで解いてください。驚くほどに解き終わりませんから。
Listeningは集中力を保ちましょう。すべて1回聞きなので、聞き逃すと終わりです。全然答えがわからない問題が続いたら一回深呼吸しましょう。切り替えて次の問題に臨むのが大事です。100問も問題があるので、多少のミスは痛くないです。
Readingはとにかく急いで解きましょう。語彙や文法の問題に時間をかけすぎず、後半の読解問題に時間をかけましょう。必ず事前に、大問ごとの目安解答時間を設定しておきましょう。そして本番中は、こまめに残り時間を確認して予定通りか確かめながら解き進んでください。

・ビジネス特有の語彙が必要
これも知っておきましょう。
ターゲット1900など大学入試用の単語に載っている語彙だけではカバーしきれません。
がっつり対策するなら、TOEIC用の単語帳が必須です。
そこまで単語に時間をかけたくない場合は、サンプル問題等を解いて出てきた語彙をその都度覚えていきましょう。
人事部personnel や福利厚生welfareみたいな単語が厄介です。

ここからは細かい話。

②Listening Part2の形式に慣れる

ここが、Listeningで点数を稼ぐポイントだと思います。
短い英文ですが、問いで引っかけてくることがあります。
直接的には言ってないけど、この選択肢の中から選ぶならこれだよな、という感じで選ぶ問題も多いです。
この形式はYouTubeでも予想問題がたくさん上げられているので、練習しやすいと思います。

③Listening Part3,4は場面をしっかり想像する

一つの英文に関して3問の問いがあります。
英文は1分前後くらいの長さかなと思います。
ただ、ここからは相当難しい問題も含まれます。
私も、全く場面が想像できない、いったい何を会話しているのかわからない、という問題が数問ありました…。
ここはわからない問題は潔く諦めて、しっかり次の問いへの準備の時間を確保するのが大事です。
わからない問題を潔く諦めるという精神、これがTOEICでは重要です。

④Reading Part5,6の知らない語彙や文法問題に悩み過ぎない

ここは、4択の文法問題や語彙問題、文中穴埋め問題です。
文中穴埋めは内容から検討するものもあれば、文法問題もあります。
このパートは時間勝負です。
1マーク20~30秒で解いていきたいです。
知らない語彙問題、見たことない文法問題、これらに時間を溶かされないようにしてください。
わからない問題は潔く諦める、です。
とりあえずマークして先に進みましょう。
後で戻ってくる時間はどうせないので、マークせずに飛ばすのはやめましょう。
マークミスの原因にもなるので、必ずマークをして進んでください。

⑤Reading Part7に時間をかける

ここが点数の取りどころです。
なぜなら、本文に必ず答えがあるので。
ここに時間をかけましょう。
目標は1マーク1分で解いていくことだと思います。
大問を一つ解くごとに時間を確認することをおすすめします。
時間を把握しながら、急いで問題を解きましょう。

ざっくりではありますが、上記が個人的な解答方針でした。
TOEICの問題の特徴を把握し、Part2,7で稼ぐという考え方です。
TOEICに関しては、たくさん参考書が出版されているので、書店でぜひ探してみてください。
高校生であっても受けてみて損はしないと思います。

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